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映画と北海道をつなぐコラム「映画と握手」。
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新目七恵-text & Illustration
第8回

「(日本語) 風速40米」

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「風速40米」には、残念ながら北海道ロケシーンはない。けれど、「都ぞ弥生」は別の北海道ロケ作に登場する。札幌ロケ「社長忍法帖」(1965)だ。
当時人気を集めた社長シリーズの復活第1弾である本作。森繁久彌が出張先の札幌で朗々と歌い上げるのが、「都ぞ弥生」。北大出身らしいセリフはないので、北海道に来たという感慨を込めたのだろう。

ちなみに、宮崎駿のアニメ作品「となりのトトロ」にも登場する、と教えてくれたのは、恵迪寮OBで「恵迪寮寮歌集アプリ」を開発・運営する村橋究理基(むらはし・くりき)さん。といっても、出てくるのは小説版の方(原作・絵/宮崎駿、文/久保つぎこ 徳間書店アニメージュ文庫)。読んでみると、療養中の母さんを見舞った帰り、さつきとメイの父さんが「都ぞ弥生」を歌っている! 妻の退院が近いと知り、嬉しさのあまり歌ったということは北大出身だったのでは…と推察したが、違う可能性も考えられるそうだ(※詳しくは村橋さん個人ブログをご参照下さい)

ともあれ、カイ特集「北大界隈」で取り上げたように、「都ぞ弥生」は今の寮生たちにも連綿と歌い継がれている。映画の世界でも、きっとまた出合えるに違いない。

●恵迪寮寮歌集アプリ

「風速40米」1958年/蔵原惟繕監督/出演・石原裕次郎、北原三枝、川地民夫、渡辺美佐子、宇野重吉/97分

新目七恵(あらため・ななえ)
札幌在住の映画大好きライター。観るジャンルは雑食だが、最近はインド映画と清水宏作品がお気に入り。朝日新聞の情報紙「AFCプレミアムプレス」と農業専門誌「ニューカントリー」で映画コラムを連載中。

ZINE「映画と握手」
新目がお薦めの北海道ロケ作品や偏愛する映画を、オリジナルのイラストと文で紹介するA3四つ折りサイズの手作りミニ冊子。モノクロ版は、函館の市民映画館「シネマアイリス」、札幌の喫茶店「キノカフェ」、音更のカフェ「THE N3 CAFÉ」で随時配布中。

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