誰もが知る「登別温泉」。猪股さんは、この日本有数の温泉街で、248室、975人が宿泊できるホテル(野口観光・石水亭)の支配人を務める。登別の隣まち・室蘭で生まれ育った。
「今は仕事の関係で登別市に住んでいますが、車で数十分なので、休みには室蘭に帰ります。ほぼジモティです」と笑う。
そんな猪股さんのおすすめが「観光道路」。鳴り砂で有名なイタンキ浜近くから、新日本室蘭製鉄所や日本製鋼所室蘭製作所、室蘭港を眼下に収めながら、室蘭八景である断崖のトッカリショ浜を経て、やはり八景の一つ、地球岬に到達する道道919号の通称だ。
「子どもの頃、親に室蘭の話を聞きながらドライブした思い出の道です。道幅が狭いので、運転には注意が必要ですが、まちの地形もよく分かりますし、外せないスポットを通るので、本当におすすめです」
そして、観光道路ドライブのお供に、と教えてくれたのが「駅弁 母恋めし」。母恋(ぼこい)はアイヌ語のポク・オイ(ホッキ貝がたくさんある場所)が語源で、室蘭本線の終着・室蘭駅の一つ前が母恋駅。ホッキ貝のおにぎり二つと燻製したたまごとチーズ、漬けものに、デザート代わりのハッカ飴がつく地元人気の駅弁だ。
「地球岬で丸い水平線を見ながら食べてください。きっと室蘭が忘れられないまちになります」。
そして最後に「室蘭には弊社の室蘭プリンスホテルもありますし、室蘭で夜景を見て、温泉でゆっくりとされるなら、ぜひ石水亭でお待ちしています」とPRも忘れないホテルウーマンだった。