まちの「びらとりガイド」も務める川上さん。ぜひ見てほしいのが二風谷のチセ群だという。二風谷アイヌ文化博物館の前には大小のチセ(家)やプ(倉)、チプ(丸木舟)などのほか、水力を利用したバッタリとも呼ばれるイユタプ(精白機)も復元され、昔のコタン(集落)が再現されている。
「この空間に立つと何かを感じることができると思います。平取に来て、ここに立ち寄らない手はない。チセ群、博物館、工芸館でアイヌの文化を体感してほしいですね」と言う。
アイヌ文化を堪能した後の昼食におすすめなのがすぐ近くにあるドライブイン・ユーカラの「きとびろラーメン」。きとびろとは行者ニンニクのことで5~6月に採れる山菜。ユーカラでは採れたらすぐに冷凍保存して通年で提供されている。
「他の野菜と一緒に炒められた具だくさんのこのラーメン、一度食べたらやみつき。ここでしか食べられない味です」。
また、夏至の前後3日間のおすすめが、オキクルミカムイの伝承地「オプシヌプリ」という、もともとは円形の空洞の天井部が欠けてU字になった部分に、太陽がすっぽりと入って沈んでいく現象。
「思わず手を合わせてお願いごとをしたくなります」と笑う。ボランティアガイドとして、オプシヌプリを見に来たツアー客に同行する。「みなさん、静かにこの荘厳な光景に見入っています」。