「昔、このあたりにはもっと農家があって。私も小学生の頃には、牛に牧草をあげたり、糞のお掃除もしました。放牧する際の見張りなど、いろいろお手伝いしましたね」と話すのは、グラフィックデザイナーで「デザイン工房ねむの木」代表の加藤綾子さん。華奢な第一印象からは意外なエピソードだ。
市街からすこし離れた酪農家が多く集まるエリアで、いまもなお酪農業を営んでいる「プリムローズ 加藤牧場」がご実家。お祖父さんが建てた古い牛舎をリノベーションしたばかりのオフィスでお話を聞いた。
加藤さんは、デザインの専門学校へ通うため仙台市へ移り、卒業後もそこで就職し15年ほど暮らしたが、震災等をきっかけに自分の生まれ育ったまちのことをあらためて想い、八雲で自分にできることはないかとUターン。いまは本業の傍ら、デザインのスキルを活かしてまちづくりの活動もしている。
そんな、八雲を知る加藤さんがオススメするまちの自慢は、添加物を使用していない「八雲チーズ工房の飲むヨーグルト」。濃厚なのに甘すぎず、あと味がすっきりと感じられるのでごくごく飲めるのだそう。原料の牛乳はご実家の牧場で生産されたものだと、すこし遠慮ぎみに教えてくれたが、放牧された牛たちののびのびとした様子を見て納得した。