まちの人に聞いて見た「あの風景、この味、お気に入り」。

学生の興味から生まれ変わった江部乙駅舎

舛井雄一さん

東京の民間企業から大学教員に転身し、滝川へ赴任して10年になる舛井さん。國學院大學北海道短期大学部では会計学が専門だが、近年は学生と一緒にまちづくり活動に取り組む機会が増えてきたという。滝川の自慢の一つが、その活動拠点である江部乙の駅舎。
「4年ほど前に江部乙のまちづくりに関わったんです。まちを元気にする拠点を探し、学生が興味を示したのが江部乙駅でした。現役の駅舎なのですが古くて汚いが第一印象。学生たちは掃除から始めたい、と。地域の人たちと一緒に定期的な清掃活動が行われ、そこから農村のネットワークもあって『駅カフェ』が始まりました」。
駅カフェは毎月第2日曜日に開催される。前日の土曜日が清掃の日。カフェでは地元の人の楽器演奏や弾き語り、紙芝居、時にはワークショップなどが開催され、毎回70~100名が集まる。
「道外出身の学生が多く、卒業生の半数以上が東京の國學院大學へ編入していきます。わずか2年の滝川生活ですが、地元の人とふれあえるこうした場は学生にとってかけがえのないものになっています」

そして、教べんをとる大学も滝川の自慢の一つだという。
「大都市の大学と地方都市の大学とでは、必然的に位置付けも異なります。人口4万1千人のまちにある大学の存在感は大きい。まちの活気はもちろん、近隣のまちにも出かけて行ってまつりなどの行事に参加する。そして、市内にある飲食チェーンのお店には必ずと言っていいほど当校の学生がアルバイトをしています。地域と深くつながっているから、卒業後も何かと理由をつけては滝川に来たがる学生がたくさんいます(笑)」

参加者の表情が豊かな「駅カフェ」のひとコマ(写真提供:舛井雄一氏)

清掃や駅カフェの活動もあり、近年きれいにペイントされた江部乙駅

國學院大學北海道短期大学部の学校祭(写真提供:舛井雄一氏)