プロローグ
土地のチカラと、それを活かすヒトがつながって生まれたモノには、どんな魅力や価値があるだろう。多様なプロジェクトの展開と成果を地域の外に広げていく運動の現場からは、何が見えるのか。地のチカラをモノにする人々と、そうして生まれているモノたちの魅力を掘りさげてみたい。
2023/08/23
開拓時代、藍の主産地である徳島からの移住者により、道内各地で藍の栽培が試みられた。道内でも温暖な気候で知られる伊達で藍の栽培が始まったのは1874年。初代より藍の栽培と染料となる蒅を生産する農家・藍師4代目の篠原さんに北海道の藍の歴史、魅力、未来を語ってもらった。
2023/08/23
北海道ならではのオリジナルジーンズを企画しているUNIQUE JEAN STORE。昨年、創業40周年を記念して道産藍100%使用のジーンズ「綿濃(めんこい)」を発売し注目を浴びている。販売のプロとして、どのように藍の産地、岡山の染織工場や縫製工場と向き合っているのか。
2023/08/30
みんなをしあわせにできる、ものづくりの理想形 —ナチュラルアイランドの化粧品—
北海道の自然の素材を生かしたスキンケア化粧品を通信販売で全国へ届けるメーカー「ナチュラルアイランド」(本社・札幌)。白老町に工場と庭園を融合した「ナチュの森」を開設し、多くの観光客を集めている。ものづくりの拠点になぜ白老町を選んだのか。長いストーリーを聞かせてもらった。
2023/09/06
出会いと挑戦とゆるぎない技術から生まれた、滝澤ベニヤのペーパーウッド
芦別市にある滝澤ベニヤ株式会社は、おもに国産の広葉樹から単板(ベニヤ)と合板を製造している。同社が開発した「ペーパーウッド」はシラカバやシナの単板に色再生紙を挟んで作る合板で、木口の美しい断面が特徴。その特徴を生かしたプロダクトは、まず海外で脚光を浴びた。
2023/09/13
シラカバを使い、育てる。その先に。―白樺プロジェクトが描く、森と人の未来―
“北国のシンボルツリー”シラカバに、光が当たっている。北海道では長らく木材として評価されてこなかったが、実はたくさんの活用法があり、持続可能な森林利用を探る可能性まで秘めていることが分かってきた。発足5年目の「白樺プロジェクト」を訪ねて、旭川へ向かった。
2023/09/20
北海道の野菜をコトコト、キラキラに—ちょびりこ。ジャム研究所—
大根とりんご、玉ねぎといちご、ルバーブとワイン、長芋とゆず……こんな面白い組み合わせのジャムがある。材料は北海道産の野菜に、果物やスパイスなどを少し。小さなパッケージに包まれた、ほかのどこにもない美しいジャムは、札幌の「ちょびりこ。ジャム研究所」のアトリエから生まれる。
2023/09/27
北海道のモノづくりの可能性を広げる積丹スピリットのクラフトジン
酒造業のスタートアップが全国各地で勢いを増している。そして今、ブームの渦中にあるのがクラフトジンだ。積丹町で始まった北海道の自然資本を生かしたスピリッツづくりの挑戦に、北海道のモノづくりの可能性を見た。
2023/10/04
まちの特産品やサービスはいかに売り込むか? —中川町の地域商社を例に
地元の資源を生かした特産品や観光プログラムを開発しても、それらをどうやって売り出すか。多くの人に知ってもらい、商品やサービスの魅力に触れてもらう機会や場所を増やさなくてはならない。道北の中川町では「地域商社」が組織され、町ぐるみで売り込みに力を入れている。
2023/10/11
サイドストーリー:地のチカラを地域史に結ぶ
モノづくりの主題に時間軸を組み入れてみよう。地域の歴史の上にある日々のたくさんの営みは、いわばそれ自体がつねに固有の過去と未来を行き交うものでもあるからだ。季節をめぐる時間の流れから生まれるさまざまなピースから、僕たちはどんなつながりを編むことができるだろう。
2023/10/18
インターネットがなかった50年前。人々は今の時代をどこまで予測できただろう。百年前のこの国は、女性に選挙権さえなかった。歴史を遡るほどまなざしの解像度は低くなり、過去を見渡すことが不自由になる。僕たちがもっと自由でいられるように、その不自由さのことを考えてみたくなる。
2023/10/25
1830年代にフランスで銀板写真(ダゲレオタイプ)が公開されたとき、それは「記憶を持った鏡」と呼ばれたという。表現者たちによって「記憶と記録」はさまざまに変奏されるテーマだけれど、シリーズ最終回では、地域の「記録」が持つ意味や可能性について、文化史の面から考えてみたい。
2023/11/01