「AIRてっし(FMなよろ)」は開局10年のコミュニティFM放送。人気パーソナリティでもある放送局長の伊藤美和子さんの出身は天塩町。名寄女子短期大学を卒業後、中川町役場に長く勤務し、平成21年にFMなよろに転職した。
「中学時代、放送部で昼休みの放送を担当していました。その楽しさがずっと心と体に沁みこんでいたような気がします」
同社ではFM放送のほか、市内全戸に配布するフリーペーパー(2万部)も制作。地元の情報を生活者に届けるという目的は電波も紙も同じだ。
伊藤さんのおすすめはまず、日本一のもち米の里であることと、北国博物館前に展示されているSL排雪列車キマロキ編成。「名寄はかつて鉄道交通の要衝の地でした。市内には今も多くの鉄道ファンがいます。そしてキマロキ編成が見られるのは全国でここだけです」。
キマロキ編成とは、機関車・マックレー車(かき寄せ式雪かき車)・ロータリー車(回転式雪かき車)・機関車の順に連結された排雪列車の頭文字をとったもの(キマロキ展示案内から)。平成22年にはJR北海道が「準鉄道記念物」に指定している。
そして、「もちが好きな人も、鉄道が好きな人も、名寄に来たならぜひ足を向けてほしいのが『なよろ市立天文台きたすばる』です」
きたすばるは高校教諭だった木原秀雄氏が開設した私設天文台が前身。市立となった後に北海道大学と市が研究協定を締結、その後2010年に「きたすばる」が開台した。北大の施設として国内2番目の口径1.6mの「ピリカ望遠鏡」も設置されている。
デッキには来館者ものぞける50cm反射望遠鏡が設置され、日中でも星を観測することができる。また、プラネタリウムもあり天文ファンのみならず楽しむことができる。
FMなよろと天文台とのつながりも深い。開局当時からの長寿番組「ラジオでプラネタリウム」を毎月1回、さらに毎週「今週のきたすばる」を放送している。空を見上げる楽しさを一緒に市民へ伝えてきた。
「名寄の空はきれいです。デッキからは空だけではなく、名寄のまちを一望することもできます。それに職員の皆さんも本当にフレンドリーで、時間があればふらっと立ち寄っても案内してくれます。とにかく、名寄に来たら天文台! ぜひ!!」