まちの人に聞いて見た「あの風景、この味、お気に入り」。

八雲町育成牧場から望む景色

藤瀬敏孝さん

八雲町の市街から函館方面を海沿いに進み、落部エリアに入ると右側に海鮮品加工を製造・販売する「長谷川水産」がある。タラコ商品が特に人気で、地元客にも観光客にも喜ばれているお店だ。「遅れてごめんねぇ。ふるさと納税で、たくさん申込みがあったんだわ。なもんで、加工の工場がてんやわんやなんだわ」と元気いっぱいの笑顔で迎えてくれたのは、店長の藤瀬さん。いまは店の一切を仕切る立場だが、以前は工場で加工作業をやっていたこともあり、店長となったいまでも人手が足りないときは手伝っているのだという。

八雲で生まれ育った藤瀬さんがオススメするまちの自慢は、「八雲町育成牧場から望む景色」だ。ここは、中心地から5キロほど南の小高い丘にあり、約262ヘクタールの広大な敷地では乳牛が多く飼育されている。
「免許さ取ったら、まんずみんな、ここに行くんだよね」と当時を思い出しながら、「昔はさ、ほら、いまみたいにネットなんてもん無かったもんだから、地元のひとしか知らない穴場スポットみたいなもんだったのさ」と教えてくれた。
お話を聞いてさっそく行ってみたが、確かに入り組んだ山道で特に目立った看板もなく、スマホのナビゲーションを辿りながらようやく到着した。思わず「おおー!」と声がでた。
山の斜面には草原に乳牛が放牧され、緑の大地に草をはむ牛が北海道らしく、海のほうへ目を移すと市街地や内浦湾を一望できる。展望デッキもあるので、さらに高い位置からの眺めに興奮する。八雲が酪農と漁業のまちであることを一度に感じられる場所だ。

4月下旬から11月下旬まで一般公開(無料)