姥神大神宮のすぐ近く、いにしえ街道の古い商店を改造した人気のパン屋さん。ご主人の藤元純さんは札幌のケーキやパンを製造・販売している人気店で修業したのち、奥様の聖登利さんと一緒に江差にUターンして8年ほど前に開店しました。菓子パンや食パンが並ぶ陳列・販売スペースは広くはありませんが、地元のお客さんがひっきりなしに訪れています。
入口から入って右の蔵には写真家の清水武男氏(故人)の写真が飾られ、時間を気にせず鑑賞することができます。
まち歩きの途中で菓子パン(クリームコロネは買ってからパンにクリームを入れてくれる)の買い食いもよし、食パンをお土産にするもよし。とにかく一度、食べてみてください。
ここは江戸時代末期の建築と推定されている歴史的建造物です。4棟の土蔵からなり、そのうちの状態のよかった1棟にカフェがあります。カフェを運営しているのは「江差いにしえ資源研究会」。少しずつ、メンバーで蔵の修繕も行っているそうです。
このカフェでは、江差の歴史を感じながらコーヒータイムだけでなく、郷土料理も提供しています。じゃがいもで作る「ふきんこ餅」がメインの具だくさんの「ふきんこ汁」、道南特産の岩のりの「のりご飯とふきんこ汁のセット」ならランチにも。餡入りの白玉団子がお吸い物に入った「お吸物ケイラン」も人気です。
ここはかつての酒屋さん。その当時からもう一つの顔をもっていました。それが「まちの高齢者の食堂」です。毎週水曜日昼食のみの営業で、小梅洋子さんが切り盛りしています。「江差も独居老人が増えています。いつも顔を見せる人が来ないと様子を見に行くきっかけにもなるでしょ。逆に、子どものところに遊びに行くときなどは、わざわざそれを報告にも来てくれるんです」。毎回、栄養のバランスも考えながら作られる定食は300円。週に1回、顔見知りとの会話を楽しむ常連さんも多いそう。
とはいえ、高齢者だけに向けられたものではなく、観光客だって歓迎してくれます。観光だから豪華な食事もいいけれど、地元の高齢者にまちの昔の様子を聞きながらのひと時は何物にも代えがたい時間になるのでは。