広大なる北大文化圏のいま

札幌駅の北側、日本有数の広さと美しさで知られる北海道大学は、1876(明治9)年に設立された札幌農学校が前身です。その後、東北帝国大学農科大学、北海道帝国大学としての時を刻み、1947(昭和22)年に北海道大学となりました。その歴史を彩る人材は多彩で、枚挙にいとまがありません。

有為な人々を輩出するとともに北大は、構内はもちろん、周辺にも物理的あるいは心的な「北大界隈」という広大な文化圏を札幌駅の北側に形成してきたといえます。政財界、文化・芸術、教育・スポーツ…ここを巣立っていった学生たちの思いは、まちの方々の思いとリンクしながら息づき、北大文化圏の基層を成しているように感じます。

構内にテントが立ち並んだ北大マルシェのいま、卒業生が北大そばに開いた広島お好み焼き店、かの有名な恵迪寮の寮歌のお話し、現代の学生たちの居場所、そして北大最初の女学生の物語など、土地と歴史と人が織りなす「北大界隈」のいまを2022年最初の特集としてお届けしていきます。

伊田行孝─text
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