この街はいつも、いくつもの境目で脈動してきた。 海と陸地。 あるいは時代の画期や、異文化の重なり。
この海峡の街では、 人やモノや情報が集積しては、 新たな世界への扉が開かれていった。
北海道新幹線に誘われて、函館を歩いてみよう。
カイが広げる新しい地図には、 北方文化と本州以南の文化の境界域に立ち上がった、 どこにも似ていない街が浮かび上がってくる。
旅人を待っているのは、 函館の成り立ち自体にふれるような スリリングな時間だ。
谷口雅春─text