小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第2回

(日本語) 挽歌(原田康子著)

あらすじ

さいはての街、釧路。左ひじが不自由なことで就職もせずに気ままに暮らす若い女、兵藤怜子が、ふとしたことから家庭を持つ建築士、桂木節雄と出会う。周りの大人たちを翻弄しながら突き進んだ恋愛の果ての桂木夫人の自殺。あまりに大きな代償を払ったその先にあったものは。

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原田康子(はらだ・やすこ)

1928~2009年。本名佐々木康子。釧路市出身。市立釧路高等女学校卒業後、釧路新聞に勤務。1955年から同人誌『北海文学』に『挽歌』を連載。1956年に出版され、大ベストセラーになる。1956年『挽歌』で第8回、1999年『蝋涙』で第38回の女流文学賞、2002年『海霧』で第37回吉川英治文学賞を受賞している。2003年、北海道文化賞受賞。人気作家となった後も、北海道在住のままで執筆活動を続けた。
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