小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第6回

(日本語) 馬追原野(辻村もと子)

あらすじ

本州の狭い土地を奪い合うような農家に飽き足らず、北海道の大型農業を夢見る22歳の秋月運平は、道庁の土地払下げを願い出る。しかし、資本も人脈も無い一介の若者には、なかなか許可が下りなかった。無為に日々を過ごす中、馬追原野の開拓をしてみないかと、誘われる。

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辻村もと子(つじむら・もとこ)

1906 (明治39) 年2月11日、紀元節に生まれた。父親が子供たちの中で一人でも文学に志してほしいと、志文と名付けた開拓地で育つ。函館遺愛女学校時代から短歌、創作を始める。3年生のとき受洗。日本女子大学卒業記念に創作集「春の落葉」を出版。1944(昭和19)年「馬追原野」で第一回樋口一葉賞受賞。東京大空襲で故郷の岩見沢市志文に疎開する。持病の腎臓病が悪化し、1946(昭和21)年、41歳で死去。
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