小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第7回

(日本語) そこのみにて光輝く(佐藤泰志著)

あらすじ

仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫は、パチンコ屋でどこか人懐こい青年、拓児と出会う。かつて「サムライ部落」と呼ばれた地域に建つバラック小屋には、寝たきりの父親、世話をする母親、そして姉の千夏がいた。達夫と千夏は互いに魅かれ合い、ついに二人は結ばれる。貧しく悲惨な生活環境から抜け出したい拓児に誘われ、水晶掘りに一緒に行くつもりだった達夫だが、拓児のおこした傷害事件のために、ひとりで山に入ることになる。

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佐藤泰志(さとう・やすし)

1940~1990。函館出身。函館西高校時代から「青春の記憶」で第4回有島青少年文芸賞優秀賞受賞など活躍をする。進学のため上京してから5回、芥川賞候補にノミネートされるが受賞はかなわなかった。死後17年経て再評価が進み『佐藤泰志作品集』が発刊される。
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