小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第9回

(日本語) 魔の季節(井上靖著)

あらすじ

専業主婦という単調な生活に味気無さを覚えていた伊吹三弥子は、ある日、夫に愛人がいることを知り当惑する。そんな折、三弥子は以前、宗谷岬で出会った風見竜一郎に偶然再会し、竜一郎に恋心を募らせていく。やがて愛人は夫より仕事を選び、夫のもとを去る。三弥子と竜一郎との関係も発展することなく、三弥子と夫は二人の日常へと戻っていく。

Sorry, this entry is only available in Japanese.


井上靖(いのうえ・やすし)

1907~1991年。軍医の長男として北海道旭川で生まれるが、幼少期を静岡県伊豆湯ヶ島で祖母に育てられる。1936年、京都大哲学科美学専攻を卒業後、毎日新聞社へ入社。1950年『闘牛』で芥川賞を受賞。その他『氷壁』『天平の甍』『敦煌』『風濤』『夏草冬濤』など、ロマンあふれる作品を発表。
Share this article