小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第17回

(日本語) 石狩川(本庄陸男)

あらすじ

旧仙台藩岩ノ山(岩出山)の領主伊達邦夷とその家臣たちは、明治維新で家禄のほとんどを失った。そこで彼らは北海道開拓に夢を託してシップ(石狩市厚田区聚富)に入植した。しかし、ここは作物が実らない荒れ地だったため、トウベツ(当別町)の地で活路を見出すほかないと決心。主従は手を取り合い、艱難辛苦の末、この地への再移住を果たしていく。

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本庄陸男(ほんじょう・むつお)

1905~1939。北海道当別町に生まれ、青山師範卒業後、教職につきながら小説、児童文学などを手掛ける。のち前衛芸術家同盟、全日本無産者芸術連盟に参加、教職を免職になるとプロレタリア文化・文学運動に専念。時代の試練のもとで曲折を経るが作家としての良心を守り抜く。1939年『石狩川』を刊行し、その2ヵ月後に病没。ほかに『白い壁』、『橋梁』などの作品がある。
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