小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
＊この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」（道新文化センター）が担当しています。
第55回

(日本語) 水際の塑像（石原慎太郎）

あらすじ

私（筆者）が小樽にいた少年時代に、父（潔）に連れられて弟（裕次郎）と３人で難破船を見に銭函の海へ出かけ、幼いながらも衝撃を受けた。その後、父は脳溢血に倒れるも、仕事をしながら療養に務めた。数年後に、一家は転勤に伴い逗子に転居。父は再び発作に倒れるが、会社をやめることはなかった。

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石原慎太郎（いしはら・しんたろう）

1932（昭和7）年～2022（令和4）年。神戸市出身。小説家、政治家。一橋大学法学部卒。1955（昭和30）年、「太陽の季節」で第1回文學界新人賞受賞。翌年、芥川賞受賞。1968（昭和43）年、参議院議員となり、環境庁長官（現環境大臣）、運輸大臣（現国土交通大臣）を歴任。その後、東京都知事に。代表作に『「NO」といえる日本人』、『弟』。
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