したたかなトップランナー⁉
北海道出身のフォークデュオ・ふきのとうが1975年にリリースした『初夏』(作詞・作曲:山木 康世)の歌詞には大通公園や時計台、地下鉄など、ご当地ソングのように札幌の風景が織り込まれています。
「噴水の前で 記念写真を 撮っているのは 新婚さんかな」(一番)
「時計台を見て たむろしている 大きなリュックの黒いカニ族」(二番)
「地下街はいつも都会の顔して 狸小路を 田舎扱い」(三番)
そして、こうした札幌の夏の初めの昼下がりの風景に「とても馴じめず淋しくなる」と歌います。
1962年(昭和37年)に「たくぎん」本店新築記念事業の一つとして札幌市へ寄贈された噴水はリフレッシュ工事がされたものの、今も市民や観光客の憩いの場です(その中にどのくらいの「新婚さん」がいらっしゃるかは不明ですが)。
また、「大きなリュックの黒いカニ族」を国内外の観光客と置き換えれば、半世紀以上前の歌ですが、その風景は今の札幌の初夏と変わりません。
一番大きく違うのは三番の「地下街はいつも都会の顔して 狸小路を 田舎扱い」ではないでしょうか。この歌詞は、オリンピック開催を機に変貌していく当時の札幌の空気感を見事に表現しているように思います。
ポールタウン・オーロラタウンからなる地下街が開業したのは札幌オリンピックを翌年に控えた1971年11月です。翌12月には地下鉄南北線が開通します。
そうした背景をみれば、なるほど当時は100年前からあった商店街を田舎に感じる札幌市民も多くいたのかもしれません。
札幌の都心部はオリンピック開催を機にした建設されたビルなどがいま、再開発の時期に差し掛かり、まちの風景が大きく変わりつつあります。
そして、狸小路はこの間、インバウンドも含めて人を呼び続け、したたかに最前線を走っています。
狸小路の特集がスタートします。まちの今昔の表情やプレイヤーの方々の思いなど、このまちはいつも彩にあふれています。

