第5回

ミツバチに会いに、子どもたちが屋上に集まった

(撮影:松本貴義)

(撮影:松本貴義)


ミツバチたちが花から花へと大忙しの7月のある日、採蜜を体験するサッポロ・ミツバチ・プロジェクト(以下、さっぱち)のワークショップが今年も開催されました。

札幌の都心にある3つの町内会の青少年育成委員会が連携した「大通こども会」の子ども16名と保護者が集まり、実際にさっぱちが養蜂をしているビルの屋上へ上がりました。

ミツバチに刺されないようにしっかり身支度(撮影:松本貴義)

ミツバチに刺されないようにしっかり身支度(撮影:松本貴義)


身支度をととのえたら、ミツバチたちとご対面。
事務局の本田さんが、ミツバチの巣の「巣板」(すいた)を手際よく持ち上げると、みんなその迫力に驚きつつも、怖がることなく真剣に観察していました。
女王ばちはいるかな?(撮影:松本貴義)

女王ばちはいるかな?(撮影:松本貴義)


つぎは、巣板から蜂蜜をとる作業。
まずは蜂蜜がたっぷり含まれた巣板が、どれくらい重たいのか持ってみます。
思わず「重たっ!」と、声が

思わず「重たっ!」と、声が


重さを確かめたら、さっぱちスタッフが、蜜蓋(みつふた)を包丁で削ぎ取り、遠心分離器にセット。その後、子どもたちが遠心分離器をぐるぐるぐると回します。
ハンドルがだんだん軽くなっていきます

ハンドルがだんだん軽くなっていきます


蜂蜜が巣(巣板)から飛び出して、あっというまに遠心分離器に溜まりました。
これをビンに移すと、私たちがいつも目にする蜂蜜になります。
黄金色の蜂蜜が出てきました(撮影:松本貴義)

黄金色の蜂蜜が出てきました(撮影:松本貴義)


採蜜体験のあとは、場所を変えて、クイズ形式でミツバチの生態について学びました。ビルの屋上で見て、聞いたことを思い出しながら、子どもたちは元気よく回答。「ミツバチの働き蜂はすべてメス」ということもしっかり覚えました。

その後、昨年度の「さっぱち蜂蜜」数種類を食べ比べして、採蜜日ごとに異なる蜂蜜の色・味・香りを体験。

何月何日に採れた蜂蜜が気に入ったかな?(撮影:松本貴義)

何月何日に採れた蜂蜜が気に入ったかな?(撮影:松本貴義)


事務局の本田さんは、このような体験で実際にミツバチと触れあうことで、ミツバチをむやみに怖がらずに、理解してもらいたい。そして、私たちがいつも食べている農作物は、ミツバチだけでなく、様々な動物、植物とのつながりによって生まれていることなど、私たちがミツバチや自然からの恩恵を得て暮らしているということを、すこしでも感じてもらいたい、と話してくださいました。
ミツバチのために花や野菜も植えている「さっぱちガーデン」

ミツバチのために花や野菜も植えている「さっぱちガーデン」


みんなで採った蜂蜜の小さなビンをお土産に持ち帰った子どもたち。蜂蜜を味わいながら、この日体験したことを、家族やお友達にお話ししてくれたのではないでしょうか。