プロローグ

ちょっと得した気分になれる異空間へ

学びの場、出会いの場、異空間―設営者の思いや個性が展示物と空間にあふれ、身を置くだけで何やらちょっと得した気分になれる。週末の半日だけの目的地として妙に楽しくなれる。そんな「まちのディープなミュージアム」に出かけたくなる特集です。

2023/02/22

大人の社会見学① おいしい水の秘密を探りに。―札幌市水道記念館

私たちの暮らしに密接に関わる“インフラ”をテーマにした、ちょっと不思議なミュージアムがある。驚き、発見、暮らしに役立つ情報までたっぷり詰まっていて、大人になってもまだまだ学びたい方にぴったりな空間だ。第1弾は、私たちの命に欠かせない“水道”のミュージアムを紹介する。

2023/02/22

大人の社会見学② 足元に広がる秘密を探りに。―札幌市下水道科学館

健康で清潔な暮らし、町の発展、地球環境の維持に貢献する仕組みが、私たちの足元に広がっていることをご存知だろうか。今回は“インフラ”をテーマにした、ちょっと不思議なミュージアム第2弾。私たちの暮らしに欠かせない“下水道”のミュージアムを紹介する。

2023/03/01

ランプが光を放つとき―札幌映像機材博物館

YouTubeやTikTok、テレビにスマホと、“映像”に触れない日はないこのデジタル全盛時代に、手触り感のあるアナログな映像機材を集めた私設博物館が誕生した。館長は、映像制作の現場で長くプロとして活動した道産子カメラマンだ。

2023/03/08

展示方法も企画もオリジナリティを貫く ―HOKUBU記念絵画館

豊平川にほど近い住宅街にひっそりと建つHOKUBU記念絵画館。控え目なたたずまいの館内ではいつもユニークな企画展が行われている。2023年最初の展覧会は「足よ、お前は美しい」、3月からは「足を見るのにしくはない」——こんな変わったタイトルの展覧会は一体誰がどのように組み...

2023/03/15

真駒内駐屯地史料館から見る札幌、北海道、そして漫画

“北海道酪農の父”エドウィン・ダンによって拓かれ、「さっぽろ雪まつり」や札幌冬季オリンピックにもゆかりある札幌市真駒内。こうした地域の歴史を、自衛隊の歩みとともに伝える史料館が、陸上自衛隊・真駒内駐屯地にある。近年は、あの人気漫画に関する展示も、注目を集めているらしい。

2023/03/22

没後40年、寺山修司の無名時代に会いに行く —さっぽろ寺山修司資料館

俳句、短歌、詩、小説、戯曲、劇団主宰、映画監督、作詞家、競馬評論家と、多方面に活躍した寺山修司が47歳の若さでこの世を去って40年。もし長生きしていたのなら、今は87歳。どのような後半生を送っていただろうか——。

2023/03/29

充実の資料で学生が運営する、本格的な大学博物館 ―札幌国際大学博物館

札幌市内に数ある大学には博物館や展示室を持つところがある。学芸員資格を取得するための実習や、大学で発掘・収集した埋蔵文化財の調査・研究施設の役割を果たし、一般の人も見学できることがほとんどだ。知る人ぞ知る大学のミュージアムを巡る第一弾は、札幌国際大学博物館である。

2023/04/05

次の100年へつなぐ、地域の記憶装置となる ―札幌大学埋蔵文化財展示室

知る人ぞ知る大学のミュージアム巡りの第二弾は、「札幌大学埋蔵文化財展示室」。実はこの春、移転リニューアルし「歴史文化財展示室」となる。「埋蔵文化財展示室」として最後となった企画展からは、これからの展示室が地域で果たす役割が見えてきた。

2023/04/12

札幌の巨大遺跡・北海道大学を掘る ―北海道大学埋蔵文化財調査センター

知る人ぞ知る大学のミュージアム巡りの最後に訪れたのは、「北海道大学埋蔵文化財調査センター」。実は、北海道大学のキャンパス自体がほぼ遺跡なのだ。こうした例は道内はもちろん全国的に見てもあまりない。大学構内を専門に発掘調査・研究する大変珍しい施設にも、出土物の展示室がある。

2023/04/19

明治から大正、昭和。日々の暮らしの楽しみを知る―旧黒岩家住宅(旧簾舞通行屋)

1871(明治4)年に札幌から定山渓を経て有珠に通じる「本願寺道路」が完成した翌年、往来する旅人のため簾舞(みすまい)に通行屋が建てられた。屋守を命じられたのが黒岩清五郎さん一家。いまは四代目の黒岩裕(ゆたか)さんが市の文化財、地域の資料館として守り伝えている。

2023/04/26

もう一つのミュージアムの楽しみ方~ディープなミュージアムグッズを求めて~

常設展示や企画展-ミュージアムを巡る楽しみは尽きない。そこに「ミュージアムグッズ」という視点を加えることで楽しみ方は倍加する。それを実践しているミュージアムグッズ愛好家・大澤夏美氏による、道内のディープなミュージアムの、ディープなグッズへの誘い。

2023/05/03

サイドストーリー:国稀酒造(株)資料室からの旅

地域史の入口にある資料室

現在「日本最北の酒蔵」と呼ばれる増毛町の国稀酒造(株)には、小さくとも濃密な資料室がある。そこを入口にこの蔵のあゆみと地域の歴史を綴ってみよう。とりあえずのはじまりは、1980年代。「陸の孤島」を解消した国道231号の全通だ。

2023/05/10

北海道をめざした佐渡人の系譜

1882(明治15)年に増毛で「丸一本間」というのれんを上げた本間泰蔵は、明治初期に佐渡から北海道をめざした青年だ。その果敢な商いはやがて、今日の国稀酒造を生み出した。「日本最北の酒蔵」の源流をめぐると、北海道と佐渡の深い関わりが見えてくる。

2023/05/17

風土と時代が商人をつくる

増毛で国稀酒造を創業した本間泰蔵は、ふるさと佐渡から明治はじめの小樽に渡り、商人としての素養を磨いていく。時代は、北海道開拓の橋頭堡として小樽が自らの可能性に目覚めていくころ。この港町は、泰蔵のような若者を奥地へと送り出すポンプの役割を果たしていた。

2023/05/24

石狩湾から時代の先へ

「一国天領」(全体が幕府直轄領)という独特の歴史の上にあった佐渡の近代は、強い気概と独立心を持つ多くの商人を北海道に送り出した。その代表的な存在が、増毛の国稀酒造の創業者、本間泰蔵だ。泰蔵が増毛と出会った時代をひもといてみよう。

2023/05/31

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