プロローグ
お土産は、その地が紡(つむ)ぐ美しい物語のひと滴(しずく)。そして、土地の人々が創意をこらした、とっておきの自画像だ。だから北海道みやげを見渡すことは、現在の北海道の成り立ちや近未来のきざしにふれることにほかならない。お土産の世界から、北海道のいまを旅してみよう。
2016/10/19
北海道のお土産と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのが「白い恋人」だろう。製造元の石屋製菓は飴などの駄菓子が出発点。今年で販売40周年を迎えたお土産界の巨人について石水創社長にお話しを伺った。誰もが知るこのお土産の「へぇ~」も交えて改めて紹介する。
2016/10/19
観光はいつも異文化の境界域に生まれる。だから北海道の観光史は、北海道が異文化の地としてリアルに意識された時代から始まったといえるだろう。そしてお土産は、土地の森羅万象の精粋を象(かたど)ろうとするモノづくりだ。北海道の観光とお土産のあゆみを4回シリーズで俯瞰してみよう。
2016/10/26
観光は平和がもたらす大切な恵みだ。土地の光を観に行くことの価値を人々が共有するようになった昭和の時代。北海道みやげは地域経済の表舞台にも登場していく。昭和ひとけたから戦後までの北海道観光史を見てみよう。
2016/11/02
昭和30年代から40年代。高度成長が生んだ旺盛な消費志向は、北海道を新しく魅力的な観光地として見いだしていった。木彫り熊が北海道みやげの定番となり、現在も人気の土産品が生まれてきたのもこの時代だ。
2016/11/09
土産をめぐる人々の思いやふるまいは、たくさんの出来事の渦を作り出す。北海道みやげとしてのアイヌ工芸のはじまりはどのようなものだっただろう。連載の最後に、北海道観光のあゆみという、異文化が出会うコンタクトゾーンの創造力を考えてみたい。
2016/11/16
北海道立北方民族博物館(網走市)のミュージアム・ショップは、ひそかな人気おみやげスポットだ。スペースは小さいながら、北に生きる人々の生活から生み出された、ほかではなかなか手に入らない物が勢揃い。おみやげを買いに博物館へ…いえ、展示を見てから、ぜひチェックを!
2016/11/02
「フードライターとやらが持ってくるのだから、さぞおいしいに違いない」。そんなハードルの高〜い手土産選びなんて無理! といいつつたどりついた味。いつもと違うお土産はないかな? という内地の方も、一度お試しを。
2016/11/23
新千歳空港や札幌駅をはじめ、道内の空港や主要な駅の売店には多様なお菓子が並べられている。その多くはお土産菓子として誕生したもの。そして、それらが土産として国内あるいは海外に拡散していくことで伝えられる「北海道」がある。フードライターの深江園子さんが北海道土産を考察する。
2016/11/30
飛行機が観光やビジネスの足となって久しい。しかし、そんな日常の移動手段ではあっても、なぜだろう、空港の出発ロビーは「これから遠くへ行く・帰る」という人々の高揚感に溢れている。この高揚感はまた、きっとお土産という消費行動にも深く関わっているのだろう。
2016/12/14
カイのおすすめ北海道土産
ツンとくる辛さに涙を浮かべながら、また箸をのばす。緑色の本わさびは日本原産の植物。西洋わさびと区別し、日本産を強調するため名前に“本”がついたらしい。生産の9割を占めるのは静岡県と長野県。そんな本わさびを北海道で育て、名物を作り上げた人物が登別温泉にいた。
2016/10/19
札幌市内に遺る古い建物の建材に使われている「札幌軟石」。石でありながらやわらかい質感と色合いが、建物にも優しい表情を与えている。「軟石や」では、不思議な魅力をもつ札幌軟石を加工して販売する。札幌のまちをイメージできるお土産に、軟石雑貨はいかがだろうか。
2016/10/26
網走のまちで、かわいらしいお土産に出会った。「セワポロロ」という名の、ちょっと不思議な木の人形(木偶)。網走で50年以上、木彫のお土産品を作り続ける民芸店で生み出された、魅力的な北の精霊たちである。
2016/11/09
酪農王国・北海道のお土産といえば、古くは懐かしのバターあめ、今は世界からも注目のナチュラルチーズである。現在、北海道にあるチーズ製造工場の半数が十勝に集中し、国産ナチュラルチーズの6割は十勝産が占めるという。チーズのメッカ十勝で何が起きているのか、ますます目が離せない。
2016/11/16
ジビエ料理やソーセージへの加工、最近は道内スーパーでも見かけるエゾシカ。食べるだけでなく、その皮革も利用しようという動きが高まっているが、なかでも早くからエゾシカ革に取り組んできたのが、高瀬季里子さんである。自分へのお土産にも、良質なエゾシカ革製品はおすすめだ。
2016/11/23