プロローグ

境界都市 函館

この街はいつも、いくつもの境目で脈動してきた。 海と陸地。 あるいは時代の画期や、異文化の重なり。 この海峡の街では、 人やモノや情報が集積しては、 新たな世界への扉が開かれていった。 北海道新幹線に誘われて、函館を歩いてみよう。 カイが広げる新しい地図には、 北方文化...

2016/04/20

博物館からはじめよう 2016 函館ウオーク

博物館は、都市の自画像だ。 自分とは何か、そして自分は何によって形作られているのかを省みながら、 まちが世界とどう関わりたいのかと思考し、発信する実験装置。 都市の名前を冠した博物館には、 その土地のエッセンスと、そこから広がる もうひとつの時空間への扉がある。 境界都...

2016/05/11

いざ津軽海峡縄文ワールドへ

今から約1万5000年前、縄文時代の人々は津軽海峡を舟で行き来していた。海峡の両側に広がる道南と北東北は、青森市の三内丸山遺跡をはじめとして函館市の大船遺跡、垣ノ島遺跡など、縄文文化を代表する遺跡が多数見つかっておりこのエリアが一つの共通する文化圏を成していたことがわか...

2016/05/11

木古内発、いさりび鉄道でいこう!

津軽海峡の対岸に下北半島を望み、夜には漁火が浮かぶ。 北海道の最初の一歩は木古内で下車して「いさりび鉄道」から ――北海道新幹線開業の日、1世紀以上の歴史を持つ江差線は第3セクターとなった。 これから鉄道会社と沿線住民は様々なプランを打ち出してくるはずだ。 鉄路...

2016/06/08

函館傑士伝

函館人が語る函館人

ニコライ・カサートキン×高井秀樹

日曜の朝10時前、元町に教会の鐘の音が響き始めた。大三坂を登り切ったあたり、ハリストス正教会からだ。通称「ガンガン寺」と呼ばれるように、大小6つの鐘を祈祷前の5分間にわたり複雑に鳴らすスタイルで、荘厳というよりとてもリズミカル。光がきらきら降り注ぐような、高く明るい音色...

2016/04/20

久慈次郎×辻見典之

昭和34年、野球殿堂が創設されると同時に、沢村栄治らとともに殿堂入りした函館人がいる。クラブチーム「函館太洋倶楽部」の捕手兼監督だった久慈次郎だ。 読売巨人軍の前身「大日本東京野球倶楽部」が誕生した昭和9年、主将として入団が内定していたにもかかわらず、大火に襲われた函...

2016/04/20

岡田健蔵×丹羽秀人

戊辰戦争の最終局面が繰り広げられた五稜郭に面して、2005年に開館した函館市中央図書館。この図書館の源流には、炎のようなひとりのレジェンドが存在する。その名は、岡田健蔵(1883〜1944)。岡田の思いと功績を書物の場に刻み込むように、同館のエントランスには、梁川剛一作...

2016/04/27

田本研造×仙石智義

「銀板写真」が日本に伝わってまもなく発明された「湿板写真」は、ガラス板の上に感光材料を塗ることで、短い時間で鮮明な写真を撮ることを可能にした。しかし、感光材が乾かないうちに現像まで終えなくてはならず、野外で撮影をする時は、荷車にタンスのような暗室を積んで出かけていたとい...

2016/04/20

武田斐三郎×美馬のゆり

観光客でにぎわう五稜郭タワーの1階に、3つの銅像がある。ガラス張りのアトリウムにたたずむ土方歳三は大人気だ。さらに、エレベーターホールには榎本武揚。幕末ファンあこがれの2トップがそろう。そして、かたわらに建つもう一人が武田斐三郎である。しかし、彼の業績の全貌を知る人は少...

2016/05/18

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