金色の鐔(つば)と2つの足金具(あしかなぐ)にほどこされた文様が、3つとも異なることに注目。鋒(きっさき)が両刃(もろは)になるまっすぐな刀は、反りのある片刃の日本刀が完成する以前の刀剣。鞘(さや)にほどこされていたと思われる蒔絵は、通常は革が使われる把(つか)にも入れられていたことがわかった。オホーツク文化の遺跡で見つかった交易品だが、国産なのか唐(中国)で作られたものかは現在研究中。
刀装具を金で飾り文様を施した刀の出土は、東北以北で初。また、9世紀初頭の蒔絵の工芸品も国内にほとんどない。地元・枝幸高校の生徒が初めての発掘で発見したというストーリーに驚く。