小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第37回

(日本語) 日本の黒い霧・白鳥事件(松本清張)

あらすじ

戦後、連合国軍総司令部(GHQ)は、日本の民主化を推し進め、非合法だった日本共産党も合法政党として活動を始める。昭和24(1949)年に中華人民共和国が成立し、朝鮮半島も一触即発の情勢となると、GHQは一転して、日本を反共の防波堤にする政策に変える。札幌市公安警察の白鳥一雄警部(36)が射殺された。警察は共産党の犯行と確信し、多くの党員や学生を逮捕する。だが、冤罪の指摘もあった。清張は、彼独自の推理を展開していく。

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松本清張(まつもと・せいちょう)

1909-1992。福岡県北九州市生まれ。1953年に『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞。『ゼロの焦点』『日本の黒い霧』で、戦後日本を象徴する作家になる。推理小説や歴史小説を中心に執筆。代表作に『点と線』『砂の器』など。
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