小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第53回

(日本語) 北の海明け(佐江衆一)

あらすじ

幕府より官寺建立の命令を受けた僧文翁ら一行は、蝦夷地に向かう。厚岸に着任後、国泰寺を建立するが、文翁はアイヌと和人の対立、厳しい寒さなどに苦悩しつつ病死する。残された少年僧智弁は、悪徳番人らを殺傷して千島のラショワ島へ逃亡。5年後、身分を偽って厚岸に戻り、美少女イソランと再会するが、彼を待ち受けていたのは…。

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佐江衆一(さえ・しゅういち)

昭和9(1934)年東京生まれ。短編『背』でデビュー。平成2(1990)年『北の海明け』で新田次郎文学賞。同7年『黄落』でドゥマゴ文学賞、自身の老老介護を赤裸々に描きベストセラーに。その他代表作に『江戸職人綺譚』『横浜ストリートライフ』。古武道技術師範。
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