撮影協力:ももねこ書店(札幌市白石区)

 

プロローグ

旅する本の中継地点

本の森。本が満ちる場。整然と並ぶ本。雑然と積まれた本。そこには不思議な力がある。プラスチックやデジタル空間にはない磁力。情報源としての本の役割は小さくなっているのかもしれない。でも、本が持つ魔力は健在だ。今日も「本が並ぶところ」を創る人々がいる。

2019/01/23

本にできることは、きっともっとある

一冊の本は、生涯にどれだけの旅をするだろう。本は、たくさんの人の人生と深く関わっている。巨大書店の進出の影に、愛されながらも閉店を余儀なくされた名物書店があった。古書と新刊をともに扱う店が北海道にも誕生している。本の送り手たちのことをあらためて考えてみたい。

2019/01/23

本の居場所を増やしたい

カフェやセレクトショップ、ラーメン店に仏壇・仏具店まで! 扱う商品や企画テーマに関する「本」を販売する店が、道内でじわじわ増えている。その仕掛け人である「さっぽろブックコーディネート」代表の尾崎実帆子さんに“本が並ぶところ”の作り方を聞いた。

2019/01/30

本屋とまちなみ

2017年暮れに大通の電車通沿いにあった古いビルから、これまた味わい深いビルに移転して再スタートをきった「アダノンキ」。オーナーの石山府子さんが10年かけて築いてきたスタイルは、札幌にしっかりと根をおろし、いろんな人といろんな本が幸せな時間を過ごしている。

2019/02/13

詩歌が棲むまちに暮らしたい

声は詩歌のビークルだ。あなたがいちばん最近声に出した詩はどんな詩だろう。あなたにとって短歌は異邦人だろうか。「本が並ぶところ」を求めた街歩きで、3つのユニークな店と出会った。

2019/02/20

書を集めよ、まちに出そう

北海道には書店が一軒もない自治体が4割もあるという。公共図書館の設置率も5割強にとどまっている。読みたい本を自分の手で選ぶことすらできない子どもたちがいるなんて。10年前、悪化する読書環境をなんとかしたいと立ち上がったのが「北海道ブックシェアリング」だ。

2019/02/27

「かの書房」が編む未来

好きな本に囲まれたい。本屋をやってみたい。読書家なら一度は抱くこの夢を、本当に実現させた人が札幌にいる。「かの書房」の加納あすかさん。今の時代に、あえて新刊書店を個人で立ち上げるという彼女のチャレンジが注目されている。

2019/03/13

本とまちづくり

恵庭市には1992年まで公共の図書館がなく、やっと完成するとみんなが押し寄せ、開館3日で「借りる本がない!」状況に。愛され続ける図書館には、常に多くのボランティアが集い、さらにまちじゅうに小さな図書館が生まれている。「本のまち」恵庭に暮らしたくなった。

2019/03/20

サイドストーリー: 守分寿男とその時代

北海道の人と風土を学びほぐすために

守分寿男というテレビの演出家がいた。ニセコ町有島記念館の学芸員伊藤大介さんは、数年を費やして資料の発掘と整理に取り組みながら、守分の仕事に新たなスポットを当てている。伊藤さんが示してくれた守分寿男の仕事は、現在の北海道を旅するための刺激とヒントに満ちている。

2019/03/06

創造の水位が高まる昭和30年代

テレビ演出家・プロデューサーの守分寿男(1934〜2010)が北海道放送(HBC)に入社したのは1957(昭和32)年。それがどんな時代であったのかを見渡すと、守分の仕事や北海道におけるテレビ放送誕生の背景がいきいきと見えてくる。

2019/03/20

地誌として成立したテレビドラマ

北海道放送(HBC)で数々の名作テレビドラマを演出・プロデュースした守分寿男(1934-2010)。守分の仕事は、テレビドラマをいわば地誌としてつくることだった。テレビドラマの草創期を意識しながら、そのことの意味を考えてみたい。

2019/04/03

守分寿男をどのように引き継ぐか

草創期のテレビの世界に飛び込み、北海道をテーマにした数々の名作テレビドラマを世に送り出した、北海道放送(HBC)の演出家守分寿男(1934-2010)。守分が考え、残したことは、これからの北海道にどんな意味をもつだろう。

2019/04/10

特別関連企画

日系メキシコ人たちの「きおくのなかのくに」

榎本武揚が構想したメキシコ殖民地開拓団から約120年。室蘭出身でメキシコ在住の美術家・はぎのみほさんは、日系移民をテーマに映像と写真の作品を共同制作した。2018年にはフォトブックを出版。移民が祖先から受け継いできた言葉と、彼らの表情が印象的な一冊である。

2019/02/06

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