小説家の筆が描いたまち。書かれた時代と現在。土地の風土と作家の視座。
「名作」の舞台は、その地を歩く者の眼前に何かを立ちのぼらせるのだろうか。
*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第35回

(日本語) 夜明けの雷鳴ー医師高松凌雲(吉村昭)

あらすじ

幕府の奥詰医師高松凌雲(りょううん)は、榎本武揚の率いる幕府脱走軍に参加して渡道。 箱館戦争が始まると、箱館病院頭取として負傷兵の治療に力を尽くす。戦争末期には、脱走軍降伏への仲介役という難しい役割も担った。戦争が終わると、民間での医療活動に専念する一方、「同愛社」を立ち上げ貧民診療に生涯を捧げる。

Sorry, this entry is only available in Japanese.


吉村昭(よしむら・あきら)

1927~2006。東京生まれ。学習院大学中退。1966年『星への旅』で太宰治賞。その後、『戦艦武蔵』で記録文学に新境地を開き、この作品や『関東大震災』などで菊池寛賞。以来、証言、史料を周到に取材し、綿密に構成した多彩な記録文学、歴史文学の長編作品を次々と発表。その他代表作に『ふぉん・しいほるとの娘』、『冷たい夏、熱い夏』、『破獄』、『天狗争乱』など。
Share this article